「くたばれ、眼鏡情報!人まね禁止」
書いてるやつらも素人だ!大丈夫!書を捨てて街へでよう
      ・・・・・続、さらばブランド、こんにちは、わたし・・・・・

そんなふうにして、やっとこさ、動き始めたオーグリーでしたが、メーカーが「これ、売れますから」
といった商品ではなくて、オーナーが、ほしいと思った商品を仕入れて販売するメガネ店というのは、
全国に2,3軒しかなかった、そんな時代でした。

私達はそんななかで、大好きだったマルヴィッツを、一生懸命、お客様に理解していただけるように
語り続けました。それは、まさに、私達の位置を確認する事に他ならなかったのです。
天を仰いで、マルヴィッツという星を見つけて、それを目印に、自分のいるべき場所を探し続けました。

幸いなことに、マルヴィッツは少しずつ売れてくれました。もっともそんなフレームですから、
他の店ではぜんぜん売れず、ドイツでは、日本ではだめかな・・・と思われていたようで、
ある日、ドイツから「他の店はダメなのに、なぜこの店だけ売れるのか?」
と、尋ねられたこともありました。

私たちは、戸惑いながら、「好きだから・・・・」、と答えるしか、ありませんでした。
私たちの店の、今も変わらぬコンセプトは、このとき確立されたのです。
物を買うということで、一番、大事なことは、ブランドではなく、売れ筋でもない、

「私が考えた、私の好きが、大好き。」

もちろん、今回のダイヤリーも、この時の想いから始まっていることは、言うまでもありません。

私達は何度も足元を確認しながら、自らを照らしてくれるであろう
その星を、瞳を大きくして見つめ続けました。
夜の更けるのも忘れて・・・・・・・続く。