「メガネ越し、傍目八目(おかめはちもく)、右も左もぶっとばせ!」



さて、ここはロサンジェルス
カルフォルニアのまぶしい太陽のをうけて、楽しく時は過ぎて・・・・
は,くれませんでした。


予想どうり・・・・。マスターは初日から少年に振り回されっぱなし。
行ったらあかんといえば行くし、行けといえば行かんし、
同行の子供たちはこき使うわ、地元のそれこそ「ヤンキー少年」にケンカ売るわ、
マスター、ロープダウン寸前の状態。



夜になっても「あの道路の向こう側でご飯食べたい」
彼の指差す方向は、昼間地元の人でも入るのを躊躇する場所。
ダメと言ってもゆうこときかんし、しゃあなしに連れて行ったら、
今度はそこの人からガン飛ばされる始末。
日本で息子の帰りを待っている、あの親父の怖い顔まで浮かんできて
「もう日本に帰りたい」と、連れて行った人間がホームシックにかかってしまいました。



そんなこんなで数日が過ぎ、明日やっと日本に帰れる日をむかえた一行は最終日、
グループで自由行動ということになりました。
マスターはロスにいる友人を訪ねる予定でしたが、
とてもじゃないが、このガキを、一人で野放しにするわけにはいかないと思案したあげく、
「おい、明日一緒に俺の友達の家に行かへんか?
お前も、みんなといてても子供相手でつまらんやろし、
そこな、高級住宅街のプールのある大きな家やぞ。どや,行こうや」



おだてて何とか連れて行こうとします。はたして乗ってくるか。
すると少年は、子供相手につまらんやろうのセリフに気を良くしたのか、
「ええよ」マスターは、やれやれと胸をなでおろしました。


翌朝、二人を乗せた車は一時間程で、郊外の友人の家へ。
ところがこの数時間後に、まさに少年の人生が大きく変わる時をむかえるとは・・・・
もちろん二人とも、知る由もありませんでした。    続く。