「メガネ越し、傍目八目(おかめはちもく)、右も左もぶっとばせ!」




漫才のコンクールに出ても、観客は受けてるのに審査員は
「この漫才のどこの何がおもしろいのか」「理解できない」
ほかのコンビに賞をさらわれることもしばしば。




一度、公開番組で司会の横山やすしには
「こんなもん漫才やない。チンピラの立ち話。
とてもやないが、テレビに出て人前でやるもんやない」
と、生放送で酷評される始末。




<この言葉に後々松本人志は、その著書の中で「チンピラの立ち話で結構。
チンピラの立ち話を聞いてみたら面白かったで何が悪い。
テンポとか間とかばっかり考えてては、新しい笑いは生まれてこない」
と反論しました>





しかし、その才能を認めたベテランも多くいました。
上岡竜太郎は「昔の漫才はボケもツッコミも観客より下にいた。
コント五十五号は、はじめてツッコミが観客より上に位置し、
ツービートはボケが上に位置した。
が、このダウンタウンは両方とも上にいる。まったく新しい形」と評し、




東の立川談志は、後にダウンタウンのDVDを見て
「松本の見事なイリュージョン、たいしたもんだ。
でもひょっとしたら、松本自身はどこが見事か
説明することが出来ないかもしれねえな。
その時は俺が説明してやる。松本にそう伝えてくれ。
それともうひとつ。本来こんなエールを送ってる場合じゃない。
俺は芸人として、この松本という男を
全力で叩き潰すような芸をやらなくちゃならないんだ。
しかしなんだね、このDVD,ウディアレンに見せたらなんて言うかね」
とコメントしました。




そしてもう一人、このコンビの才能をいち早く見つけ出した人がいます。
ダウンタウンともっとも正反対な場所にいるような人
上方お笑界の重鎮、放送作家香川登志緒さんだったのです。
      

                               続く