「メガネ越し、傍目八目(おかめはちもく)、右も左もぶっとばせ!」


箕島vs星稜のユーチューブを見ていました。
もう三十二年も前か・・・・。



二度目の同点本塁打の森川選手は
練習試合ですら打ったことのないホームランが、あの場面で・・・・・。



作詞家の阿久悠さんが、高校野球史上で最高の試合と讃えたえたうえで
「奇跡は一度だけ起きるもの。二度起きたものは奇跡と呼べない。
では、何と呼べばいいのか・・・・
作詞家の私が言葉を見つける事の出来ないもどかしさ・・・・」
と書いておられました。



九十四年にOB戦として再試合が行われ、最後のバッターは箕島尾藤監督
対する星稜ピッチャー山下監督。
何と結果はあの日と同じファーストへのフライ。
ファースト加藤、今度は転ぶことなく
二十五年ぶりに拝むようにしてナイスキャッチ。
試合の後、乾杯の時に尾藤監督は「今日のヒーローは加藤君!人生の勝利者!」
この言葉をきいた加藤選手はじめ、星稜ナインは号泣。
そして地元の少年野球の指導者になる事を決意しました。




延長十八回を戦った後、ピッチャーの堅田選手は、主審に呼び止められ
「ご苦労さん、持ってかえりなさい」と、
その試合で一番土の付いたボールを渡されました。
「この歳になって、ようやくあのときの主審の方が
ボールを渡してくださった気持ちがわかるようになりました」
彼はいま、高校野球の審判員を務めています。



一人だけの幸せというのはこの世に存在しない。
いかに分かち合えるか、適味方関係なしに・・・。
そんな生きざまを日本中に見せ
長い延長戦をおえて眠りにつかれた尾藤監督。
ご冥福をお祈りします。