「メガネ越し、傍目八目(おかめはちもく)、右も左もぶっとばせ!」




アホ芸人をこよなく愛する大阪人。
それは大阪の人が芸人を見に行くのではなくて
まず自分の方に引き寄せている証拠と思います。




自分もアホ。その領域にまず引き入れて一緒になって笑う。
それが大阪の笑であり、文化と思います。
「私もあんたも皆一緒」これが上方が日本中に誇る風土です。




観客だけではありません。芸人もそうです。
聞くところによると東京の寄席の楽屋では
真打の師匠の皆さんは行儀よくきちっと正座されておられます。
舞台と楽屋をきちっと分けておられます。




ところが上方は違います。
「楽屋を制する者こそ舞台を制する」です。
だから面白ければ「呼んで来い」となります。
現に松竹の鶴瓶師匠は、吉本の楽屋に何度も呼ばれたそうです。




以前にも書いたかもしれませんが、あの明石家さんまさんの師匠
笑福亭松之助師匠(関西落語界最高齢。大御所)
がテレビの正月番組に出ておられました。
出番と出番のあいだに楽屋が写るのですが
若手連中は何とか画面に映ろうとカメラの前へ殺到します。
その中にじいさんが一人。
胸に「さんまの師匠」の名札をはってカメラの前に割り込んでおられました。
東京では絶対見ることの出来ない光景です。
(ちなみに師匠、二、三年前に,Rー1グランプリに一般参加しておられました)
恐るべし上方、恐るべし大阪です。