今日は修理事例。フレームの広がってるのをなおす。

みなさんこんばんは。

今日もブログのお時間です。

夜はだいぶ涼しくなりましたね。

眠りやすくなってありがたいかぎりです。

 

 

ということで今日は先日お客様が持ち込まれた修理を見て頂きましょう。

こういう時こんなことが出来ますよーっていう参考にしてみて頂けたらと思います。

 

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まずは持ち込まれたフレームですね。

お相撲さんがかけるのかな?ってぐらい広がっていて

これでは普通のお顔の大きさだと幅が広すぎて耳にすらさわりません。

さて、どうしたものか。

え、温めてまげたりしたらいいんじゃないの?って思わはったお客様。

ありがとうございます。いつも調整する時よく見て下さっているんですね。

そうですね、通常の広がり方ならば温めて変形させることもあるのですが

この場合だと温めて曲げても全然足りないので、今回は別の方法をとります。

 

眼鏡屋さんで、え、曲げたらいいんじゃないの?って思わはる人がいたら

眼鏡屋でそれは雑すぎてお話にならないのでよく状態を見てよく考えましょう。

 

 

では順にみていきましょうかね。

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もっていきたい状態はこのくらいの開きですね。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、テンプルの根本にすき間があるのがわかりますかね?

 

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横から見たところですね。

2~4ミリほどテンプルの根本に空間があるのがわかるかと思います。

今回はここの空間をなくす方針でいきます。

 

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私共にお持ちいただく前に別の眼鏡屋さんで何とかしてもらったそうです。

そこの眼鏡屋さんもすき間を埋めようとしたようですね。

考えてる方向は一緒ですが、時間が足りなかったのか接着剤系を使ったようで

くっつけた何かは取れてしまったとのことでした。

眼鏡の修理に接着剤はご法度なので、恐らくこの眼鏡屋さんも時間がなかったので

しょうがなく接着剤を使ったのだと思いたい。

ということで修理の前に接着剤の残りを取ります。

 

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接着剤をとって、次に取り掛かるのはすき間を埋めるアセテートを用意します。

某フレームメーカーさんから端生地を頂いてたのでそれを使います。

今回フレームが黒なので黒い生地を使います。

ちょっと色変えてもかっこよしですが、サラッと黒で行きましょう。

板状の生地から必要なのを切り抜きます。

 

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そのブロックをフロントの根元に融着させます。

接着剤が付いていたところをペーパーでやすったので、これはあとで一緒に磨きます。

 

 

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ブロックがしっかりくっついたら形を整えていきます。

なるべくもとからこんな感じのフレームでしたよ?ってなるくらい自然な感じを目指します。

 

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そして幅の開きがどんなもんになるか確認しながらゴリゴリ、ザリザリと

削っていきます。

 

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幅の感じは良い感じですね。

ここまできたらあと少し。

 

 

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やすり → ペーパー  →  バフマシン の順に磨きます。

見た目的に違和感なく仕上がったんじゃないかと思います。

 

 

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最初からこういうデザインでしたけど?みたいな感じにもっていけたんじゃないかと思います。

 

 

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最後に幅の具合ですね。

写真上の状態で持ち込んでいただいたのを写真下の状態に狭めました。

これで普通に掛けて頂けますね。

 

 

ということで今日は修理のご紹介でした。

アセテートセルロイドのフレームは何かあった時

意外と修理出来ちゃうこともあるので、困ったときは一度見せて頂けたらと思いますよ。

ただ、ちょっと無理な場合もあるのでその時はすみません。

あ、あとアセテートフレームで折れちゃったりしたところに接着剤は

使わないで持ってきていただけたらと思います。

アセテート素材の中に接着剤がしみ込んでしまって、修理が出来なくなってしまうこともあるのです。

出来たらセロテープ、マスキングテープなどでぐるぐるまきにしてなんとかしのいでもらって、早めに状態を見せて頂けたらと思いますよ。

では今日はこんなところで!