「くたばれ、眼鏡情報!人まね禁止」
書いてるやつらも素人だ!大丈夫!書を捨てて街へでよう」

枠の中に組み込まれた鏡は、縦50センチ 横5メートル。
その高さは150センチから170センチの女性の胸から頭のてっぺんまで写る高さ。
そして5メートルを通りすぎるまで約6秒・・・・・・・

もうお分かりと思います。すなわち、ロジータの前を歩く女性は、
自分の姿と顔を6秒間 見つめ続けながら通りすぎるわけです。

.彼の狙いはここでした。店を通る時に必ず自分自身の顔を意識させようとしたわけです。
この狙いは見事にヒットしました。それでなくても三条通りという、今、ちょっと派手な通りです。

女性にしても そんな通りを 休みの日に歩く自分の姿を見て、悪い気はしないでしょう。
ちょっとしたドラマのワンシーンです。
鏡を見ながらさっそうと歩いて行く人。すましながら通りすぎる人。
中には立ち止まって、お化粧をし始める人も・・・・・・

そう、ここを通る女性は、「自分自身」を意識するわけです。
メガネではなく、そのメガネが乗っかる自分の顔とその姿を見る。
そして、そこには人生を楽しんでいる「私」が、確かにいる。
そんな自分とロジータの前で出会う・・・・・・
これが彼のねらいだったのです。

私たちは、第一ラウンドのオーグリーに続いてこの第二ラウンドでも
強烈なパンチを受けて膝から崩れ落ち、心地よくキャンバスによこたわったのでした。   続く。