「くたばれ、眼鏡情報!人まね禁止」
書いてるやつらも素人だ!大丈夫!書を捨てて街へでよう
      ・・・・・続、さらばブランド、こんにちは、わたし・・・・・

こうして、私達とメガネブランドの対峙が始まったわけです。
それから、いくつものブランドが私達の前にあらわれました。15年前のテオとの出会いも、
とても印象的でした。そのころ、私達は、初めてパリでおこなわれる
「シルモ展」<メガネの国際展示会>に行きました。

今でこそパリの展示会に行くことは珍しくありませんが、当時、日本から見に行くのは、
メーカーばかりで、小売店の人と会場で出会う事は、ありませんでした。

そんな時代に、テオとの出会いは、衝撃的でした。ブースへ入った瞬間、
「俺は、これに出会うためにパリまできたんだ!」という想いに、体が震えたのを、
いまでも忘れる事ができません。

そのころのテオは、今よりも、もっと挑発的で、左右の形が違うなんてざらで、
なかにはレンズに穴をあけてタコ糸でフレームに結びつけるなんてフレームもある始末でした。

日本でメーカーに<もちろん、そのころ誰もテオなんて名前もしりません。>見せると、
全員が「売れません!」と言い切りました。

私は、再び喜びがこみ上げてくるのを、抑える事ができませんでした。
なぜなら、私たちは、マルヴィッツという星を見続けて、ここまで歩いてきました。
「売れない」と言われれば、言われるほど、「これから売れる」と言ってもらっているのと同じだ、
と言う事を、知っていたからでした。
       続く。