「くたばれ、眼鏡情報!人まね禁止」
書いてるやつらも素人だ!大丈夫!書を捨てて街へ出よう   

         フォーナインズの奇跡    その1

当時、フリーの眼鏡デザイナーだった三瓶哲男が 
私の店にフレームを抱えて やってきたのは、13年ぐらい前でしたでしょうか。
原宿のロイドさんからの紹介で 知り合いだった私達は、
初対面のときから、なんとなく ウマがあい、すぐに うちとけることができました。

その彼が、2年ほどたって、私の店に 自らのデザイン下フレームを 見せに来てくれたのです。
Tシリーズという、きれいな そしてシンプルなセルフレームでした。

「このフレームを、ひとっさん<彼は 私を初対面から そう呼んでいます> おいてくれないか?」
断る理由など どこにもありません。二つ返事で引き受けた私でしたが、
このフレームこそ のちのち、日本の眼鏡業界始まって以来の奇跡を生み出す 
その始まりであろうとは、私、そして 本人、三瓶哲男も 想像もしませんでした。

しかし、この「奇跡の歯車」は、そのとき、ゆっくりと、そして間違いなく、回りはじめたのです。

          続く。