[オーナー日記]



[オーナー日記「メガネ越し、傍目八目(おかめはちもく)、右も左もぶっとばせ」


あけましておめでとうございます。良いお正月でしたか?
私はいつも通り、ごろごろして酒飲んで・・・・・の三が日でした。



ところで、不況の波ますます高く・・・・の様相を呈していますが、
テレビの報道を見ていて私は今、「ちょっと待てよ」と思うようになってきてます。
例の派遣社員の解雇の問題ですが、ちょっと思う事があります。



街頭インタビューで「マスコミが悪い悪いというから、よけいに消費者がびびってもうて」
という声があります。
マスコミ、特にテレビの影響力のすごさは、皆さんもよくご存知かと思います。
でも、こんな意見がとマスコミにいうと、「起こっている事を伝えることが私達の使命」
と言うに決まってます。



さて、私たちはこの映像が本当かどうか、一度考えてもいいのではないでしょうか。
「画面だから」と無条件に受け入れてもいいのか、ということです。



断わっておきますが、画面がやらせだとか寒空に凍えている方の事を
軽々しく考えてるとかでは決してありません。念のため。
それより私はマスコミのスタンスが少し気になるのです。


まず、考えて下さい。雇用の打ち切りを通告された方が、
すべて瞬時のうちにホームレスになると考えてる方はいらっしゃらないと思います。
もちろん運悪く、そうならざる得ない方もいらっしゃると思いますが、
そのほかに実家に戻って厳しいながらも再就職を目指す方。
友人のところに身を寄せてその土地で就職を目指す方。



所持金においても、貯えがなく時間的に余裕のない方。
貯えがあって時間がある方。
さまざまなパターンが存在します。


ところがテレビは、解雇と、少ない所持金を見せる指とその財布、
そして、今夜寝る所がない方の姿を接続して流す事が出来るわけです。



ここに一つの流れが出来る訳です。
この流れは新聞より短い時間で伝えなければならないテレビには、
大変都合がいい話です。(視聴率も含めて)



もし、本当にテレビに携わる人間が、今起こっている事をちゃんと伝えるつもりならば、
「この会社の派遣切りによって、この立場の人は何パーセント、この危険のある人は
何パーセント、何とか時間的に余裕のある人が何パーセント」
「よって最も危険度の高いこのパターンの方々に、早急にこれこれのような策を講ずる
必要があります」と言うように、短い時間なりにちゃんと、ハショラずに、
デフォルメせずに伝えてもらいたいと思います。



それほどテレビはある意味「怖い」存在なのです。
以前、第一次イラク戦争の時の海外からの映像は、油にまみれた鳥が映し出され、
ペルシャ湾原油を流し込んだフセインの悪行を映し出しましたが、
それは関係のない映像をくっつけて流されたものでした。



2001同時多発テロで、同じ手法で作られてアメリカから流れてきた映像は、
多くの犠牲者をうんだ、あのビルの崩壊に歓喜の声を上げるアラブの人々の姿でしたが、
これも後に時間が経つにつれて、アラブの人々の名誉は回復されたのでした。



私たちはこのような時こそ、あわてずに事実と真実だけを嗅ぎわける能力を、
身につけるべきではないでしょうか。